いくつか本を読んでたんですが、感想書けず仕舞いだったりしました。
こないだ、着物組でお会いした時にちょっと話に出たので、また忘れない内に書いておこうかなと。
これ。面白いよという噂は聞いていたし、榊さんもはまってらっしゃるようだったし、私一応司書の資格を持っていて、少しだけ図書館にアルバイトで行ってたこともあるので、とても気になってはいたんですよね。
あとまあ都条令の話が本格化してくると更に気になってきてたし。
それが、何で今まで読んでなかったかっていうと、もうたまたまと言うしかないんですけど(笑)
そうやって、多少期間を置きすぎたこともあり、ほんの触りだけど図書館に関わってたってこともあって、実は結構身構えて読み始めたようなところがあったんです。
もちろん私が扱えなかったのは単純業務ですらたくさんあるんですけど、自分がやったことでなくても、見られること、聞けることってのはたくさんありましたし、私が居た期間に某週刊誌に某未成年犯罪者の名前や顔写真が出るけどそれの扱いどうするとか、BL本の扱いについてとか(これはずっとだ笑)そういうのも経験しましたしね。
図書館の自由に関する宣言っていうのがあって、本の中では物語に合わせて変わってるんですけど、その宣言を立派なレリーフにした奴が、うちの市の一番大きい図書館に飾ってあって、それが短大の時に使ってた教科書の初め写真載ってたり、授業の内容とか殆ど覚えて無くて、本当に末端でちょこっとお手伝いさせて頂いた程度の自分の経験からでも、図書館にとってこの宣言をどれぐらい重要に考えてるかっていうのは、よくよく伝わってる訳です。
そこに「戦争」って文字が付くこと、検閲っていう言葉の重さ。
まあとにかく、色んな複雑な気持ちで、読み始めた訳ですよ。
ところが。
何この漂う少女漫画のかほり・・・・・・・・!!!(笑)
何この得も言われぬ懐かしさ!はっ!少女小説だわ!もうラノベとかそういう言葉が無かった時代のコ○ルト文庫のかほりがするわ・・・・!!!(笑)
一冊読み終えた後、速攻で2・3をリクエストして、2・3は一気読み致しました(笑)
なんだこのラブコメ話?(笑)
いやね、あのね。誤解しないで頂きたいのは、上で私が身構えているようなこととか、この本のテーマとか、そういうものはとても重いし、変わらずにそこに有る訳です。本の中には一歩間違えたらこうなるかもしれないっていうものすごく身近な空恐ろしさもあります。っていうか、そういうのはむしろ真正面からごく分かりやすく提示されています。
でも、ラブコメなんですよね(笑)
読み終わって、私はそういうとこ、すごく鋼に似てるなって思いました。
重いものをずっと重苦しく描く、書く必要って別にないんですよね。むしろ重いのや小難しいのが苦手な人の中に入り込みやすい構成として、秀逸だと思います。
しかしここまでラブコメ度が高いと、苦手な人もいるんじゃないかとは思いつつ、私は面白く読みました(乙女だからね!笑)
番外にあたる別冊も、更に高まる少女漫画度に軽く笑いつつも、ほぼ一気読みでした。
乙女っぽいのが苦手な人も、本編だけでも読んでみるといいと思います。とっても真正面な内容だと思うので。
まあ本の何をどう読み取るかは自由だし、何冊目だったかの後書き読んで、こんな感想言う人いるんだなあと思ったりもしましたけど、私はこの本良く出来た本だと思いますし、作者の方向性に頷いたので、興味ある人は是非。