約一年前に着たこの着物。(そういえばこれで入稿に行ったんだった)
写真では結構良く映ってますが、実は割りと傷みが多いきものです。薄いシミも多く、背中側の足元には大きな接ぎがあります。
全体の印象もところどころヤケがあって色が薄くなっています。
この着物、綿だから洗えるかと思ったのですが、袂にだけ何故か紅絹をつけてあり、その色が表側に出てしまったのです。そして袖の部分だけが袋に(裏地と表地の縮み幅が違って、たるんでしまうこと)
でも好きな着物だったので、どうにか着れないかと着物を出していたら、オカンが、「あんたそんなん着るん?」と嫌そうに(笑)
確かになあ、袋の部分を直すほどの技術は無いし、洗ったところでシミも消えなかったし(目立たないんですが)、裾の接ぎの部分もこれからまたダメになるだろう。
じゃあもう再利用するしかない!と思い立って、袖を取ることにしました。お得意の付け袖、衿や帯揚げ、まだ布が余るだろうから作り帯にでもできたらいいなと思ったのです。
ところが、両袖取ったところで、これもしかして、裏側まるまる剥げるのでは?と気付きまして。やってみたらキレイに袷の裏地部分だけとることが出来ました。糸を取ってる途中で気付いたのですけど、それでもちゃんと着物の形のままです。
で、思いました。
もしかして、これこのまま単の長襦袢に出来るんじゃね?と。イマイチ長襦袢と長着の差を理解していないのですが、手持ちのものと比べても、掛衿だけの差のような気が。
長襦袢なので裾は上げてしまえば、接ぎも気にならなくなるでしょうし、ヤケてても色はとてもキレイなので、袂から見えたら素敵かもしれない・・・・・・・。そう思ってウキウキもう一度手洗いしてみました。
そしたらなんということでしょう。袖の紅絹の色がキレイに取れたじゃありませんか!(@゜▽゜)ノ。・:*:・゜★,。・:*:・゜☆
紅絹というのはとても色落ちしやすいもので、多分どれだけ水を注ぎ続けてもそのまま赤い色が出続けるような染めです。赤い色が色っぽいので、アンティークにはよく紅絹がついています。(それだけに汗に注意が必要)
だけど、まさか一年前に染まって放っておいたような色が落ちてしまうとは・・・・・・!
なるほどアンティークの頃は皆さん自分のおうちで着物を解いて洗っていたのだから、多少の色落ちなど怖くも無いはずです。
せっかくだから、きちんと袖を付けなおして、袷を無理やり剥いだのであちこち綻びてるところも繕って、どうにか再生させてやりたいです。
ちなみに八掛はきれいな黄色でこれまた気に入っているので、こちらは衿や帯揚げにしたいです。
PR