エドワードの眦はとけそうにやわらかく桃色で。
その瞳は何か言えと責めるような色を保ちながらも潤む。
(しかも)
アルフォンスが強く抱きしめたからだろうか。或いは適当に羽織っただけのせいかもしれないが。
(はだ、肌蹴ています・・・)
真紅のガウンが右肩から落ちそうになっている。膝も。
(膝って言うか、内腿がっ・・・)
だがここで目をそらしたら、確実にさっきの二の舞だ。アルフォンスは決死の努力でもって、エドワードを見つめた。
「エド、ワード」
そっと名前を呼ぶと、彼は少しだけ恥ずかしげに、でもひどく嬉しそうに笑った。
(やばい・・・)
何か今何かの扉を開けそうになった・・・!
透けて見える肌より、鎖骨より、内腿より、その笑顔に。
「・・・アル」
翻弄される。
両手で頬をはさんで上に上げさせると、笑顔が消えた。すこし近付くと、手がアルフォンスの腕にかかる。
「どうしたの?」
そっと聞いてみれば、エドワードは空いた方の手で胸の辺りを掴んでいた。
「し、んぞう、壊れそう」
素直な反応にアルフォンスは笑った。
「ドキドキしてるんだ?」
手を離してエドワードの体を抱き寄せる。
「ほんとだ」
勢いよく彼の内側から響いてくる音は、心地良かった。
「・・・アル、も?」
「そうだよ。ずっとドキドキしてる。あなたのそばにいるから」
「さっきも・・・」
「うん、ドキドキしてた。すごく」
すり、ともうひとつ耳を寄せて。エドワードがくすりと笑った。
「こうしてると、どっちがどっちの音かわからなくなってくるな」
「そう?」
じゃあ、どっちの音か、はっきりさせてみようか?とアルフォンスが囁けば、いぶかしげな視線が上がる。本当に素直な人だなあとアルフォンスはまたそれだけで彼に惚れ直して、その鼻先に音を立ててキスをした。
「ふえっ・・・・あ、変な声出た」
「びっくりした?」
「ちょっと・・・・・・・・・ん」
アルフォンスは何度もくちづける。鼻にも、目尻にも、瞼にも、額にも。
「アル・・・・アル」
抗議するように名前を呼ばれて、アルフォンスは少しだけくちびるを離した。
「嫌?」
「嫌じゃないけど・・・っ、なんか」
その先はもう言わせてあげられなかった。
続きは屋根裏部屋で!(えがお)← 存在しません。
もう1回くらいちるちる続けてみようか・・・・・。
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