× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 メリークリスマース☆。.:*:・゜★*:。.:*:ヾ(*´∀`*)ノ゛(浮かれ気分続行中) 別にケーキも無いですし、ケーキ代わりにってオカンが買ってきたミスドノエルが「これはドーナツじゃなくてパンだ」と言って自らご立腹だったりしますが。 ほんとにびっくりなタイミングで届いたみなせっちからのクリスマスプレゼント。私、なんか常にものを貰ってばっかりなんですけどどうすれば・・・!ええとお返しは鳥手羽がダメならビオフェルミンでいいですか(違うだろう) まず既製品だという小さめの簪。小さめだし、足の部分が柔らかいので、これで纏めるのは危険と言うか無理なので、髪飾りとして使うつもりです。 二種類目がブックマーカー。手作りだそうです。むしろこれですら簪として使えそうな勢いですが(笑) 飾り部分アーップ!見えますか!クリックするとちょっと大きい画像が出ますよ~。 レス! >姫仲さま
姫兄ですよ。苦手な人は逃げるがいいさ!
+:゜.* +:゜.☆ この夜を聖夜と呼ぶ。 その気持ちを自分は知らずにいるけれど、この世界のどこかに祈り続ける人たちがいるということ。 その人たちと同じくらいの気持ちで、幸せを祈りたい人がいるということ。 その幸せ。
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カタと小さく音が鳴ったのに慌てて顔を上げると、そこには夜着を纏って手にランプを持った王女がいた。 「・・・・・・・・・やっぱりアルだ」 「ひっ」 姫!と叫びかけたアルフォンスを、そっと人差し指をくちびるに当てることで制して、エドワードはにこりと笑った。 「帰らないのか?今日は遅番じゃないだろう?」 特別な時でもなければ姫付きの騎士であるアルフォンスに夜の番もありはしない。衛兵は別にいるのだから。 強いて言えば。 「そんなことより城内にお戻り下さい。衛兵はどうしたんです。風邪をお召しになりますよ」 「アルと待ち合わせって言ったら通してくれた」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・貴方って人は!」 「アルがそんなところでひとりでいるからだろ」 何でも無いようにエドワードは言って、上方を指した。 「ここ、オレの部屋から見えるんだぜ?怒るんだったら自分の迂闊さを怒れば?」 楽しげに笑うとアルの隣にランプを置いて、膝を立てて座るアルフォンスに、オレも座ると宣言する。 「・・・・・・もうとっくにお休みになってる時間でしょう」 この位置が部屋から見えることなど当の承知だ。むしろ見えるからこそこの場所を選んだと言っていい。 「月が明るかったからな」 月の姫と皆が呼ぶ、この至高の姫に。 決して報われぬ想いを寄せること。 「座ると仰られてもこのようなところでは」 「いいからちょっとそっち寄れ」 「ですが服が」 汚れる、と言いかけてアルフォンスは思いついて自分のコートを脱いだ。いや脱ごうとした。 「それは待て」 「でもお座りになられるんでしょう?」 「さすがにお前が風邪を引くだろ、それは」 エドワードは困った顔をしてアルフォンスを止めた。だが自分を見下ろすエドワードは夜着にガウンをまとっただけだ。 「これを着て座ってください。上着が大・・・いえ、そうすれば汚さずに済むでしょう」 「何か今聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたぞ?」 「そうですか?」 知らぬ振りで立ち上がると自分の上着をその肩にかける。思った通り彼には大きすぎるコートの裾は、完全にエドワードの足までかかる。 「でもこれだとお前が寒いだろ」 「そんな薄着の人が何を仰ってるんです。それを着るか、今すぐお部屋に戻るか。どっちかしかありませんよ」 アルフォンスの言葉にエドワードは不満げに頬を膨らます。無言でコートを脱ぐと乱暴に押し付けた。 「着ろ」 その顔に一瞬仏心が出そうになったが、諦めてくれたらしい王女を引き止めてはいけない。 「体が冷えてるでしょうから、温かくしてお休み下さい。部屋まで・・・・」 アルフォンスはまたもや言葉を遮られた。とりあえず押し付けられた上着をひっかけて立ち上がろうとしたアルフォンスの前に立つと、エドワードは両手でアルフォンスの膝を割って、そこへ無理に腰を下ろしたのだ。 「なっ!」 「大声出すと衛兵が来るぞ」 「何をなさるんです!」 慌てて声を抑えてそれでも叫んだアルフォンスの目の前には、さらりとした金色の髪が流れている。 「これだったらオレの服も汚れないし、ふたりともあったかいだろ」 「そういう問題ですか!」 ふわりと甘いにおいはたぶんシャンプーだろうが、その香りにアルフォンスは思わず息を詰めた。 「上着落ちてるぞ」 エドワードはまるで冷静だが、アルフォンスは軽くパニックだ。服地の上からとはいえ直に伝わる体温も感触も、そうさせるには十分な力を持っている。 「アル?」 振り返ったエドワードの顔の近さに仰け反りそうになって、アルフォンスは慌てて自分を抑えた。膝の上には王女が乗っているのだ、落とすわけにはいかない。 「やっぱりこれだと寒くないな」 むしろこの状態ではアルフォンスは外気温がマイナスでも寒いとは思えなかっただろうが。 「本当にどうされたんですか。私の・・・・ボクのことなら心配することも無いよ。今日はクリスマスだし、ちょっとそんな気分になっただけなんだから」 「じゃあオレもそんな気分になっただけ」 言いながら嬉しそうに笑うエドワードは、いつでもアルフォンスに触れたがる。アルフォンスの気持ちも知らずに。 「眠れない、とかじゃないよね?」 南に高くかかる月はまだ浩々と明るい。それが本当に理由だったのならば構わないが。 「お前がこんなとこでひとりで座ってるからだって。たまたま起きて、見つけて気になったから」 「それならいいけど」 「うん」 コートの下で暖かい体に腕を回す。ほんの少し誘惑に負けて、月明かりを跳ね返す金色にそっと鼻先を埋めた。 「なあ、アル」 「はい?」 「メリークリスマス。だな」 「・・・・・・・・・・・うん」
頷いたアルフォンスに、エドワードが嬉しそうに笑い声を上げた。恐らくこれを言いたかったのだろうと思うと、胸をつかれた。
この夜を聖夜と人は呼んで、アルフォンスは信仰を持たないけれど。 誰かが教会で祈るように、この人の幸せを祈れば叶う気がした。 窓の向こうで眠っている筈の姿が、いつの間にかこの腕の中にあるというのは予想外ではあるけれど。 メリークリスマス。 それは幸せの為の。 「メリークリスマス、兄さん」 +:゜.* +:゜.* PR この記事にコメントする
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